b型肝炎の治療はライフスタイルに合わせて選択しよう

病院9

b型肝炎の治療目標は、肝炎を抑えて肝がんになるのを防ぐことです。治療期間が長くなりがちなので、自分のライフスタイルに合わせて治療法を選んでいくことが大切です。また、肝臓病に関する治療は日々進歩しています。

病気と闘うために治療法を理解し、積極的に取り組んでいくことが大事です。ここでは、b型肝炎の治療法について詳しく紹介しています。

感染したとしても必ず治療が必要なわけではない

b型肝炎に感染した後の経過は非常に複雑で、個人差がかなりある病気です。そのため、慢性肝炎と診断されていたとしても経過観察で済む人もいれば、すぐにでも治療を要する人もいます。HBe抗原陽性でALT値が正常の無症候性キャリア、HBe抗原陰性でALTは正常、HBV-DNA量が2000IU/mL未満の非活動性キャリアは定期検査による経過観察となります。

後者はおよそ1年間で3回以上の血液検査を行い数値を満たしている場合のみです。前者の無症候性キャリアの人は、10代から30代で発症することもありますが、画像検査で肝臓の線維化が見られず、劇症化の可能性がない場合は治療を1年間は先延ばしにすることができます。

これは、35歳ぐらいまでは、治療をしなくても、b型肝炎ウイルスが突然変異して、HBe抗原を作りにくいウイルスに変化する可能性があるセロコンバージョンにより自然治癒してしまう可能性があるからです。セロコンバージョンを経て、HBe抗原陰性でALTは正常、HBV-DNA量が2000IU/mL未満の条件を満たせば、非活動性キャリアになります。

この3つの数値が治療の有無を分けることになります。

治療対象になる基準とは

慢性のb型肝炎で治療が必要になるのは、HBe抗原が陽性、陰性にかかわらず、ALTの値が31U/L以上で、b型ウイルスの量を示すHBV-DNA量が2000IU/mL以上の場合です。

さらに、画像検査において肝臓の線維化がすでに進行している場合になります。b型肝炎ウイルスに感染している人は、そうでない人と比べて肝臓がんになる確率が高いです。近年の研究により、HBV-DNA量が2000IU/mL以上でHBe抗原が多いと、肝臓がんに発展する可能性が非常に高いとされています。

HBe抗原量に関しては、治療するか否かの基準に入れるかどうかは、検討されている段階です。そして、肝臓の線維化も肝臓がんのリスクを高めることになるため、同様に慢性のb型肝炎の治療をするかどうかの基準に加えられています。

そのため、非活動性キャリアになっても、HBV-DNA量が陽性で、肝臓の線維化が進行している場合には、発がんリスクが高いとみなされて治療の対象となることがほとんどです。さらに、検査の結果、治療の対象とならない場合でも、ALT値が軽度、あるいは時々上昇がみられることもあります。

その時、血小板数が15万未満、家族に肝細胞がんの歴がある、画像検査で線維化が疑われる、この3条件がそろった場合には、肝臓がんのリスクが高いです。そうしたケースでは、肝臓の線維化をより精密に検査し、最終的に治療の必要性を判断します。

b型肝炎とは?検査や治療法について

慢性肝炎は非活動性キャリアを目指して

肝炎の大半を占めるウイルス性肝炎の治療は、ウイルスの排除が第一目標になりますので、b型肝炎の治療の目標は、b型ウイルスの消失です。肝硬変や肝臓がんへの進行を食い止めるために、ウイルスマーカーのHBe抗原が消失することを最終目標として治療が進められます。

しかし、残念ながら現在の治療法では、b型ウイルスを完全に除去することは難しく、HBe抗原の消失にまで至る人というのはごく僅かです。ただし、HBe抗原が陽性の状態にあっても、肝炎が沈静化して肝機能が正常になれば、肝硬変や肝臓がんの発症リスクはかなり低くなります。

そのため、慢性肝炎の治療目標は、肝炎の沈静化と肝機能の正常化を達成する、非活動性キャリアになることになります。

b型肝炎のキャリアといわれたら

治療薬はタイプが異なる2種類

b型肝炎の薬物治療に使用されている薬は、インターフェロンと核酸アナログ製剤の2種類です。この二つは、大きく特性が異なります。まず、インターフェロンは皮下注射で投与を行う注射薬です。体に本来ある免疫機能を増強してウイルスを排除してくれる薬で、週に1度通院をする必要があります。

一方で、核酸アナログ製剤は、経口投与の飲み薬なので通院の負担は軽くてすみます。そして、インターフェロンは、妊娠中は原則として不可ですが、投与したからといって胎児への影響はなく、約1年継続して投与すれば効果が持続する方法です。

ただし、多彩な副作用もあり、治療効果は2割から4割程度です。効果がある場合には、治癒に至ることもできます。一方、核酸アナログ製剤は、副作用が出るのはまれで、およそ9割の人に効果のある治療法です。ただし、長期に渡って服用を続ける必要があり、その期間は10年以上がほとんどになります。

途中で服用を中止すると、肝炎が再燃して重症化するリスクもあります。加えて、長期間服用する間に、耐性ウイルスが発生する種の薬もあるため、インターフェロンか核酸アナログ製剤のどちらを選択するかは、自分自身のライフスタイルに照らし合わせながら、慎重に選ぶことが重要です。

b型肝炎はどんな感染経路で感染するのでしょうか

併用する方法もある

近年、最新の治療法として、インターフェロンと核酸アナログ製剤を併用するシークエンシャル療法も登場しました。核酸アナログ製剤を飲んで効果が出た場合、インターフェロンを併用し、核酸アナログ製剤、インターフェロンの順番に徐々にフェイドアウトしていきます。

このシークエンシャル療法は、本来、核酸アナログ製剤の使用を安全に中止するために使用されている方法です。これは、核酸アナログ製剤は、ウイルスを殺して排除するための薬ではないため、途中で服用を中止した場合に、ウイルスが再び増加することが多いからです。

肝臓がんへの進行を食い止める治療法として、さらなる研究がなされている状況です。いずれの治療法を選択するにしても、肝臓専門医としっかり相談の上決めていくことが重要になります。また、慢性のb型肝炎は、HBe抗原が消失して治癒したとしても、ウイルスは存在しています。

再燃する可能性はゼロではないため、勝手にもう大丈夫だと判断せずに、経過観察中も定期検査は確実に行いましょう。