b型肝炎とは?検査や治療法について

医師3

b型肝炎はb型肝炎ウイルスによって引き起こされる病気で、そのウイルスは世界中に分布しているのです。

アフリカや東南アジアなど感染者が比較的多いエリアもありますが、日本国内では人口の2%以下と地域によって格差があります。そこで一時社会問題にもなって話題になったb型肝炎の基礎知識や治療法、検査について解説します。

b型肝炎とは?

b型肝炎とはb型肝炎ウイルスが原因で発症する疾患の一つです。b型肝炎ウイルスは人の肝細胞に住み着き、人に感染すると肝細胞で増殖します。ウイルス自体は肝炎を起こすことは無いのですが、ウイルスを異物として身体が判断したときに排除しようとします。

そこで免疫機能が動き出し、肝細胞にあるウイルスだけを攻撃することが出来ないので肝細胞全てを攻撃してしまうのです。このときに肝細胞ごと破壊されてしまい、肝炎を発症するのです。b型肝炎ウイルスは他のウイルスと比べて感染力が高く、体液や血液を通して感染します。

日常生活で感染することはごく稀なことです。

垂直感染と水平感染について

感染経路は垂直感染と水平感染の二種類があります。垂直感染は母子感染によるもので、出産のときに産道で血液を介して赤ちゃんにウイルスが移ります。赤ちゃんは免疫機能が未熟な状態で生まれてきているので、b型肝炎ウイルスを異物と認識せずに肝細胞に住み着いてしまうケースがあるのです。

ウイルスを異物だと判断しても排除する能力がないので、赤ちゃんはウイルスに感染しているけれど健康な状態である無症候性キャリアになります。

成長して思春期から30歳前後になると免疫機能が発達して、ウイルスを体内から出そうと肝細胞を破壊し始めます。攻撃が始まると肝炎を発症しますが、多くの患者さんは症状も軽く、肝障害が進行することもほとんどありません。

ですが感染者のなかには慢性肝炎になったり、ごく僅かですが肝硬変や肝がんになったりしてしまうケースもあるのです。現代の日本では母子感染の対策が行われているので、新たに赤ちゃんがb型肝炎ウイルスに感染する可能性は低くなっています。

水平感染は医療従事者が間違えて注射や点滴の針を刺してしまったり、予防接種の注射器の使い回し、b型肝炎ウイルスに汚染された血液の輸血が挙げられます。その他に性交渉やピアスの穴開け、入れ墨などの器具の使い回し、麻薬を使うときの注射器の共有などもあるのです。

現在は医療機関もしっかり整備され、医療従事者への指導も徹底しているので病院での感染は起きていません。また輸血される血液も検査を行っているのでb型肝炎ウイルスの感染はほとんど見つかっていないのが現状です。

近年増えているのが性交渉での感染で、コンドームなどの避妊具を使わずにウイルスを持っている異性と関わることによる感染が増えているのです。パートナーとなる人がb型肝炎ウイルスを持っている場合には、相手がb型肝炎ワクチンの接種をすれば予防出来ます。

b型肝炎ワクチンの必要性を考えよう

どうしたら予防出来るのか

b型肝炎ウイルスは基本的に体液や血液から移動します。経口感染や空気感染することはなく、日常生活の中でウイルスに感染する危険性はほとんどないと言ってもいいほどです。ですから感染している可能性がある人は体液や血液が誰かに付かないように注意することが大切です。

感染の疑いがある人は献血ルームなどに行って献血をしないようにすること、医療機関に足を運んだときには必ず自分がb型肝炎であることを伝えます。歯の治療を受けるときにも、必ず申告するようにします。歯ブラシやひげ剃り、カミソリなど血が付く可能性のあるものは自分専用にし、他人と共有しないようにすることも重要です。

出血してしまったときにはきちんと洗い流して、血液が付着したものは剥き出しにならないように包んで捨てます。赤ちゃんの離乳食を口移しで食べさせてあげたりしないように気を付けます。

b型肝炎の治療はライフスタイルに合わせて選択しよう

b型肝炎の検査は?

検査をする際にはまず問診が行われ、他人の体液や血液接触したかどうかを聞かれます。問診が終わったら血液検査に進み、ウイルスが陽性か陰性なのかを確認する流れです。b型肝炎ウイルスに感染しているのかどうかを調べるために行われるのが、b型肝炎ウイルス検査です。

HBs抗原と言われるb型肝炎ウイルスの外側にあるタンパク質を検出して、感染しているのか判断します。

検査の結果が陰性の場合はウイルスには感染しておらず、陽性の場合は感染していることになるのです。検査の結果、陽性となったときにはすぐに医療機関で専門医に相談するようにします。さらに陽性の人は、再度血液検査をして詳しい結果を出して感染状態を調べます。

HBs抗原の他にHBs抗体やHBc抗体、HBc-lgM抗体やHBe抗原、HBe抗体を検査します。HBs抗体が陽性の場合は過去に感染したことがあり、治療を終えたことが分かるのです。HBc抗体が陽性であればb型肝炎ウイルスに感染したことが、HBc-lgM抗体は最近感染したことを示します。

HBe抗原はウイルスの増殖力が強いこと、HBe抗体は増殖力が低下していることを指します。

b型肝炎の症状や治療法

b型肝炎の症状はほとんどの人が現れずに、知らない間に治癒してしまうことがあります。ですが一部の人はb型急性肝炎を引き起こし、食欲不振や嘔吐、全身の倦怠感や悪心、黄疸などの症状が見受けられます。人によっては関節痛や紅斑もあるのです。

急性肝炎は1ヶ月から半年の潜伏期間を経て症状が現れるのが特徴です。症状が出てきても肝臓の働きをサポートする薬を服用すれば落ち着きますが、患者さんによってはb型慢性肝炎になってしまうこともあるのです。急性のb型肝炎の治療では基本的に入院や安静が求められます。

また肝炎のウイルスを体外に排出することはほぼ不可能なので、肝硬変や肝がんにならないようにこれ以上症状が悪化しないような治療をします。治療法は抗ウイルス療法や肝庇護療法、免疫療法です。抗ウイルス療法はインターフェロンと副腎皮質ステロイドホルモンの併用療法や抗ウイルス薬の使用、インターフェロン療法です。

肝庇護療法はグリチルリチン製剤の注射や胆汁酸製剤を飲みます。免疫療法は副腎皮質ステロイドホルモン離脱などをします。どの方法も全身の状態や肝臓の状態、副作用に注意しながら治療をしていくことが大事です。