b型肝炎のキャリアといわれたら

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b型肝炎というのはb型肝炎ウィルスに感染したことで免疫機能が働き、それが肝臓の細胞を攻撃することで炎症が起きている状態をいいます。最近ではコマーシャル等でも集団予防接種によるb型肝炎ウィルスに感染させられ、集団訴訟を起こして示談金が払われるなども耳にしているのではないでしょうか。

ではb型肝炎のキャリアとはどんな状態であるかを説明いたします。

b型肝炎に感染する経路

b型肝炎に感染する経路としては母子感染が日本では多いと考えられています。母子感染の場合はb型肝炎ウィルスを保有するキャリアの母親から子供が感染し、判断するには母親の血液検査でウィルスが陽性であれば赤ちゃんにb型ウィルスワクチンを注射することで治療が可能です。

生まれて2ヶ月から3ヶ月になったとき1回目を接種し、全部で3回行なえば完了します。赤ちゃんは免疫機能がまだ未熟であるため、b型肝炎ウィルスを防御することがかないません。徐々に成長して行く間に免疫機能が発達し、ウィルスと免疫の攻防戦が始まります。

この戦いが炎症となって現れるわけです。キャリアはb型肝炎ウィルスが肝臓に存在しながらも炎症が現れていない状態で、無症候性キャリアと呼ばれます。無症候性キャリアは肝臓にb型ウィルスが暴れて炎症が起こっても自覚することないまま過ごし、その殆どの場合は自然に治っていきます。

その一方で、身体が成長していながら免疫機能が不十分で働かない場合は、ウィルスを殺すことが出来ずに炎症が続き慢性肝炎となります。

b型肝炎に感染後の経過

b型肝炎キャリアには母子感染と成人感染があります。母子感染した場合には自然治癒する時と、無症候性キャリアになることがあります。無症候性キャリアは15才から30才で肝炎を発症し、その後慢性化する人と無症候性キャリアになる人とに分かれます。

無症候性キャリアになる人はセロコンバージョンという現象がおこることで、ウィルスが1000分の1以下まで減少します。

このセロコンバージョンはHBV(b型肝炎ウィルス)が免疫機能に攻撃され、自分のDNAの一部を変化させることで起こる現象です。

免疫の働きによってウィルスの活動が抑えこまれ、肝炎が沈静化して無症候性キャリアとなります。また、成人感染では自然治癒する人や劇症肝炎になる人、そして慢性肝炎になる人と無症候性キャリアに分かれます。HBs抗原陽性(HBVキャリア)は持続感染していますが、だからといって誰もが肝炎を発症する訳ではありません。

症状や機能にまったく異常のない無症候性キャリアの人も沢山います。その約90%は無症候期から肝炎期を経て肝炎沈静期と移行していき、そして再び無症候性キャリアのまま一生を終えるとされます。ですが後の約10%が慢性肝炎となり、肝硬変や肝ガンへと進行していきます。

b型肝炎キャリアと診断されたら

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慢性b型肝炎になっても、自覚症状は殆どありません。肝炎が悪化することで疲れやすいと感じたり、食欲不振やだるさ、それに尿がお醤油やコーラのような黒褐色になります。これらの症状に気付かずまたは気付いていながら放置すると肝硬変や肝ガンになる危険があります。

肝臓の病気に症状が現われないのは、肝臓の予備機能という細胞が壊されても残っている部分だけで機能をカバーするためです。肝臓の7分の6が機能しなくなっても、7分の1で同じ働きをしてくれるために自覚症状が感じられないのです。

症状が分からないもうひとつの理由に、肝臓の再生能力の高さがあげられます。肝臓の4分の3を切り取ってしまっても、約4ヶ月経てば元の大きさに戻るのです。ですが何年も炎症状態が続けば細胞の再生機能が疲弊して、異常細胞が増えて重篤な肝障害を起こします。

b型肝炎キャリアと診断された場合は、定期的に肝臓の検査を受けることが大切になります。

ウィルスの量(HBV-DNA量)をきちんと測ることは、肝硬変や肝ガンになるリスクを減らすために重要なことです。現在はウィルスの量を減らしていく抗ウィルス療法という治療法が進んでいるので、しっかりと検査をするようにしましょう。

b型肝炎キャリアが注意すること

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b型肝炎キャリアの人は他人にウィルスを感染させないように、注意しなくてはなりません。どんなことに注意するかといえば、血液でウィルスは感染するので血液が付く可能性のあるヒゲそり用のカミソリや歯磨きブラシなどを他の人と共有することは絶対にしないようにします。

怪我をしたり鼻血などでたときには自分で手当てをして、深い傷で治療が必要となった場合には相手に血液が付かないように、または自分がb型肝炎キャリアであることを医者や看護師に伝えてください。血液や分泌物が付着したものは流水で洗い流すか、ビニール袋などにしっかりと包んで捨てます。

また残念ですが献血は出来ませんし、結婚するときに相手にb型肝炎ウィルスの免疫あるかどうかの検査を受けてもらう必要があります。もしも免疫がなければワクチンの接種をします。さらに、離乳食や食事の際に口移しで食べさせたり咬み砕いたものを子供に与えることも止めてください。

b型肝炎の治療はライフスタイルに合わせて選択しよう

無症候性キャリアであっても注意して

例え症状のない無症候性キャリアであっても、ウィルスは肝臓に存在し続けています。ですから定期的な検査を受ける事は、自分自身の健康を守ると共に、他の家族の健康を守ることになります。母子感染では赤ちゃんに高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)とb肝炎ワクチン(HBワクチン)を注射することで防ぐことができます。

上記したセロコンバージョンが起こった後にもウィルスが増殖し続けて肝炎が悪化していき、肝硬変や肝ガンになるリスクが残っていることが分かってきています。原因となるのはセロコンバージョンが起こった後にもb型肝炎ウィルスに変化が発生して、より増殖能力の強いウィルスが生まれてくることが考えられます。

このようにb型肝炎ウィルスはキャリアであってもどのような経緯を辿るか判断が難しいために、セロコンバージョンになったとしても定期的な肝臓の検査をすることが必要なのです。そして日常生活においても、肝臓に負担を掛けないようにすることが重要となります。

食生活ではカロリーを摂り過ぎると肝臓に脂肪が蓄積されてしまうので、アルコールなども控えて高タンパクで低カロリーの食事を心がけてください。